今日は、新人時代の最も大きな仕事(サクセスストリー)を書かせていただきます。
とは言っても、私の力ではなく周囲の人のバックアップと幸運に恵まれました。
新卒で入社後、右も左もわからない6月ごろだったでしょうか?
ある外資系大手金融機関を訪問しました。
Uマネージャーに同行していただきました。
相手は、常務(人事担当取締役)と人事課長でした。
常務:「これは社内外秘の案件だ。ニューヨーク本社からの連絡で動いている。
この件を社内で知っているのは、社長と我々二人だけだ。秘密は守れるね?」
我々:「もちろんです。」
常務:「当社は、情報システムの進化が遅れている。現在、システム部門には100人ほどの
社員が居るが、まずは部門長を変えなければならない。今の部門長には申し訳ないが、
別の部署に異動してもらう。」
Uさん:「なるほど、リプレースですか?それでは社内にも秘密にしておかなければいけませんね。」
常務:「当社は外資系だが、ある意味、日本的で社員に暖かい会社だ。基本的に終身雇用だ。
現在の部門長もこれまで貢献してくれた。新しい人が見つかっても暖かく処遇したい。」
我々:「へー、失礼ですが意外ですね。そんなに暖かい社風なんですね。しかし、その方が
我々もお手伝いしやすいです。」
常務:「ただし、既に外資系の大手サーチファーム3社にオーダーしており、一人、まずまずの
候補者と接触済みだ。コーンフェリーとか、スペンサーとか、ラッセルとか知ってるね?
それ以上の人材を紹介できる自信はあるかな?」
我々:「それ以上とは、どんなプロフィールの人材をお探しですか?」
常務:「開発経験10年以上、部下100人以上のマネジメント経験、英語堪能であること。
ずばり言おう!!IBMの人が欲しい。当社は、IBMの大ユーザーだ。」
我々:「今の有力な候補者は、どんな人ですか?」
常務:「IBMの人だ。ただ、いきなり部門長を任せるには今一歩という懸念がある。」
我々:「正直、自信があるとは申せませんが、次回、具体案を企画書にまとめてご提案させてください。」
という感じで帰社しました。
新人の私には、全く何が何だかわからないチンプンカンプンな話で、企画書を書くのも初めてです。
社内のいろんな人の意見を聞きながら、何とか企画書をまとめて、2回目は取締役のMさん、Uさん、
私の3人で訪問しました。
着手金800万円、成功報酬500万円、合計1300万円程度のプレゼンをしました。
常務:「成功報酬はいいが、着手金が高いね。」
Mさん:「着手金が高い? 武谷(たけや)君、ちょっと企画書を見せてごらん?」
*さっきまで訪問前に自分で企画書をチェックしていたくせに。
Mさん:「武谷(たけや)君、高いよこれは!!
初めてのお付き合いなんだから、
もっとサービスしないと駄目だよ。
着手金は半額の400万円ぐらいにしなさい。」
私:「えー!! さっきの話と違いますよね? そんな安くしていいんですか?」
Mさん:「君、欲張るんじゃないよ!!
いやー、常務、新人なのでご容赦ください。
もう世間知らずで。」
常務:「着手金400万円であれば、当社はGOです。すぐにターゲットにアプローチしてください。」
Mさん:「ありがとうございます。
ほら、U君も武谷(たけや)君も、ちゃんとお礼しなさい。」
我々:「ははー。ありがとうござます。頑張ります。」
いやー、取締役のMさんの適当な営業には参りました。
しかし、何やら恐ろしく間合いが絶妙なスケールの大きな営業でした。
普段は週刊誌を読みながらソファーで寝ているくせに、ここ一発の営業力は貫禄です。
しかし、これから一体どう動けばいいんだ?
「すぐにターゲットにアプローチしてください。」
と言われたものの、新人の私がいきなりIBMの偉い人を探して口説くなんてできないなー。
リクルートは、私が自分から聞きに行かないと絶対に教えてくれません。
しかし、聞けば親切に教えてくれる。
これは周囲の人を巻き込むしかない。
今日は序章です。
明日、続きを書きます。
合掌。