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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

新人時代の大仕事(大物ハンティングで外資サーチファームに勝つ)その1

今日は、新人時代の最も大きな仕事(サクセスストリー)を書かせていただきます。
 
とは言っても、私の力ではなく周囲の人のバックアップと幸運に恵まれました。
 
新卒で入社後、右も左もわからない6月ごろだったでしょうか?
 
ある外資系大手金融機関を訪問しました。
 
Uマネージャーに同行していただきました。
 
相手は、常務(人事担当取締役)と人事課長でした。
 
常務:「これは社内外秘の案件だ。ニューヨーク本社からの連絡で動いている。
    この件を社内で知っているのは、社長と我々二人だけだ。秘密は守れるね?」
 
我々:「もちろんです。」
 
常務:「当社は、情報システムの進化が遅れている。現在、システム部門には100人ほどの
    社員が居るが、まずは部門長を変えなければならない。今の部門長には申し訳ないが、
    別の部署に異動してもらう。」
 
Uさん:「なるほど、リプレースですか?それでは社内にも秘密にしておかなければいけませんね。」
 
常務:「当社は外資系だが、ある意味、日本的で社員に暖かい会社だ。基本的に終身雇用だ。
    現在の部門長もこれまで貢献してくれた。新しい人が見つかっても暖かく処遇したい。」
 
我々:「へー、失礼ですが意外ですね。そんなに暖かい社風なんですね。しかし、その方が
    我々もお手伝いしやすいです。」
 
常務:「ただし、既に外資系の大手サーチファーム3社にオーダーしており、一人、まずまずの
    候補者と接触済みだ。コーンフェリーとか、スペンサーとか、ラッセルとか知ってるね?
    それ以上の人材を紹介できる自信はあるかな?」
 
我々:「それ以上とは、どんなプロフィールの人材をお探しですか?」
 
常務:「開発経験10年以上、部下100人以上のマネジメント経験、英語堪能であること。
    ずばり言おう!!IBMの人が欲しい。当社は、IBMの大ユーザーだ。」
 
我々:「今の有力な候補者は、どんな人ですか?」
 
常務:「IBMの人だ。ただ、いきなり部門長を任せるには今一歩という懸念がある。」
 
我々:「正直、自信があるとは申せませんが、次回、具体案を企画書にまとめてご提案させてください。」
 
という感じで帰社しました。
 
新人の私には、全く何が何だかわからないチンプンカンプンな話で、企画書を書くのも初めてです。
 
社内のいろんな人の意見を聞きながら、何とか企画書をまとめて、2回目は取締役のMさん、Uさん、
私の3人で訪問しました。
 
着手金800万円、成功報酬500万円、合計1300万円程度のプレゼンをしました。
 
常務:「成功報酬はいいが、着手金が高いね。」
 
Mさん:「着手金が高い? 武谷(たけや)君、ちょっと企画書を見せてごらん?」
 
*さっきまで訪問前に自分で企画書をチェックしていたくせに。
 
Mさん:「武谷(たけや)君、高いよこれは!! 
    初めてのお付き合いなんだから、
    もっとサービスしないと駄目だよ。
    着手金は半額の400万円ぐらいにしなさい。」
 
私:「えー!! さっきの話と違いますよね? そんな安くしていいんですか?」 
 
Mさん:「君、欲張るんじゃないよ!! 
    いやー、常務、新人なのでご容赦ください。
    もう世間知らずで。」
 
常務:「着手金400万円であれば、当社はGOです。すぐにターゲットにアプローチしてください。」
 
Mさん:「ありがとうございます。
     ほら、U君も武谷(たけや)君も、ちゃんとお礼しなさい。」
 
我々:「ははー。ありがとうござます。頑張ります。」 
 
いやー、取締役のMさんの適当な営業には参りました。
 
しかし、何やら恐ろしく間合いが絶妙なスケールの大きな営業でした。
 
普段は週刊誌を読みながらソファーで寝ているくせに、ここ一発の営業力は貫禄です。
 
しかし、これから一体どう動けばいいんだ?
 
「すぐにターゲットにアプローチしてください。」
 
と言われたものの、新人の私がいきなりIBMの偉い人を探して口説くなんてできないなー。
 
リクルートは、私が自分から聞きに行かないと絶対に教えてくれません。
 
しかし、聞けば親切に教えてくれる。
 
これは周囲の人を巻き込むしかない。
 
今日は序章です。
 
明日、続きを書きます。
 
合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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