先週の金曜日の続き、 「職人芸の標準化」 の話です。
これは意外といろいろな営業に応用できると思います。
結論から申します。
「な・ぜ・しゃ・ぶっ・た」システム と呼んでおりました。
内容を解説します。
「な」=仲良くなる。新規のお客様と初回訪問で仲良くなる。
お客様は嫌いな営業マンの話は聞かない。
そのために、柔らかい話、雑談から入る。いきなり商談しない。当り前ですけど意外とできてない。
例えば、
鬼マネージャーSさん :「はじめまして。Sです。
おー社長、日焼けしてますね。
土日はゴルフですか?
それとも庭いじり? 違う?
ただの粗大ゴミ!!
わ、は、はー!!」
とか、いきなり初対面の社長に 「粗大ゴミ!!」 と言うわけです。
初めは相手もあっけに取られて驚いているのですが、何となく緊張が緩む。
これをきっかけに、社長の趣味とかご家族の話に展開していくわけです。
そこまで行くと10分ですっかり仲良し。
「ぜ」=銭(お金)の話を先にする。
最後に 「780万円です!!」なんて言うと、お客様は驚いて引いてしまう。
だから正々堂々と先に、 「うちのサービスは高いけれど、その分いいんですよ。」
と宣言する。
鬼マネージャーSさん :「武谷(たけや)、 社長ほど世の中でお金を使いたがっている人種は
いないんだぜ。
高いものほど社長の購買意欲をそそるんだ。
高いものを買って、知り合いの社長に自慢したいだよ。」
「しゃ」=社長に会う。
会社は社長で決まる。特にオーナー企業は。
逆に言うと下っ端に合うな!! リテイナー営業では決裁権の無い人間と会っても時間の無駄。
鬼マネージャーSさん :「おい、お前ら、俺は人事担当者のアポには同行しないよ。
決裁権の無い人間に会っても時間の無駄だろー。
俺の高い人件費がもったいない。」
「ぶっ」=現物(げんぶつ)と言っては言葉が汚いですね。不謹慎ですが何卒ご容赦ください。
誠に恐縮ですが、 「転職希望者の登録状況」=「具体的にどのような魅力的な方々が
登録されているのか?」を、お客様に口頭で説明します。
もちろん、個人を特定できない情報です。
やっぱり、これが採用企業の最大の関心事です。
社長:「実際に私が欲しい人材は登録されているの ?」
鬼マネージャーSさん :「武谷(たけや)、最近の登録状況をご説明しろ!!」
私:「あれはそう確か1週間、いや2週間前、御社と同業のA社様に在籍されている回路設計の人材が
お越しになりました。
東京工業大学を卒業後、ご入社され現在は28歳です。」
社長:「ほー、それは興味あるねー。
ちょっと見せてよ。」
鬼マネージャーSさん :「社長、それは申込書をいただき、ご本人に応募の意思確認をした後です。」
「た」=たたみかける。
短期間に強いクロージングをする。
極力即決してもらう。
訪問回数が増えれば、受注の可能性はどんどん下がる。
鬼マネージャーSさん :「社長!! 優秀な人材は採り合いです!!
早く決断しないと他社に採られます!!
武谷(たけや)、申し込み書を出せ!!」
これが、 「な・ぜ・しゃ・ぶっ・た」システム の内容です。
「なーんだ」 と思われる単純な内容ですが、実践できる人材コンサルタントはあまりいません。
これを忠実に実行すれば、あまりスキルの無い営業マンでも、ある程度の業績が見込めます。
実際に、新人営業マンがTRS780万円を即決した事例が複数あります。
新人のI君は、月末最終日に社長にアポイントを取りTRS780万円を即決して目標達成しました。
しかし、先にお金をいただくというのは、重い責任を負う事になります。
順調に人材をご紹介できれば良いのですが、必ずしもそうは行きません。
そうなれば、当然クレームになります。
*当時のお客様、誠に申し訳ございませんでした。
当時の営業マンを代表して、お詫び申し上げます。
明日は、そのクレームに関して、書かせていただきます。
合掌。