「不況になって仕事がおもしろくなった。」
昨日会った若い女性の人材紹介コンサルタントAさんの言葉です。
Aさん:「私は新卒入社3年目ですけど、私たちの世代は、人材紹介が嫌いになって辞める人が多いです。」
私:「どうして嫌いになるんでしょうか?」
Aさん:「目標数字のプレッシャーに押しつぶされたり、人の人生を左右するのは責任が重過ぎるという人も
います。」
私:「Aさんの場合はどうですか?」
Aさん:「私もはじめは好きじゃなかったです。でも、今は好きになれました。」
私:「なぜですか?」
Aさん:「不況になったから、好きになったんです。」
私:「不況になったから人材紹介を好きになった? ほー、珍しいですね。どういう意味ですか?」
Aさん:「不況になる前は、クライアントに聞くべき事を聞いていませんでした。」
私:「具体的には?」
Aさん:「すぐに 『どんな人が欲しいんですか?必用なスキルは何ですか?』 とか、採用スペック
ばかり聞いたりして、へへへー。バカでした。」
私:「今は変わったんですか?」
Aさん:「はい。クライアントが、どんな会社を目指しているのかというビジョンとか、将来計画とか、戦略とか
そんな事を中心に聞くようになりました。」
私:「ほー、それを聞くようになってどうなりましたか?」
Aさん:「仕事が楽しくなってきて、人材紹介が好きになりました。
クライアントがこんなビジョンを持っているから、こんな人材が欲しいんだ、という事を理解して
人に説明できるようになりました。」
私:「それは素晴らしい。良かったですね。」
Aさん:「会社のビジョンや事業計画や戦略を聞くと、採用スペックなんか聞かなくても、どんな人材が
欲しいのか、自分でわかるようになりました。」
私:「うん。そうですね。それは、自分で気がついて変わったの? それとも誰かが教えてくれたの?」
Aさん:「うーん、どうかな? でも、先輩や以前のマネージャーの影響も大きいです。
以前のマネージャーから、クライアントに関して、よくなぜなぜ質問をされて答えられなくて
困ったことがありました。」
私:「なるほど。それで今は、人材紹介が好きになったんだね?」
Aさん:「そうです。不況になって、クライアントから深いところまで聞かないと決まらないので、
そこまで聞くようになったら、人材紹介が好きになりました。」
私:「そうか、それじゃあ今後はどうしたいの?」
Aさん:「後輩ができたら、人材紹介のおもしろさを教えてあげたいです。
私もはじめは好きじゃなかったから、気持ちもわかってあげられるし、どうしたら好きになるかも
教えてあげられると思います。」
私:「そうか、いいね。将来はマネジメントもやりたいの?」
Aさん:「マネジメントもやってみたいですが、きちんと基本を教えられる良いマネージャーがいる会社で
働いてみたいです。そんな会社、ありますか?」
私:「もちろん、ありますよ。
マネジメントのレベルは、人材紹介会社によって大きな差があるけどね。
でも、きちんと教育とかマネジメントをやっている会社を選んで紹介できるよ。」
Aさん:「わかりました。」
私:「当面は今の紹介会社で頑張って、もし今後何かあったら、また気軽に相談してください。」
こんな話をして、元気に帰られました。
「不況になって人材紹介が好きになった」 そのプロセスに、とても大切な事が詰まっていると思い
私もすがすがしい気持ちになりました。
「いまから ここから」 みつを
合掌。
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