派遣法改正の影響は?
リクルートワークス研究所が、興味深いレポートを発表しました。
題名は、 「派遣法改正案の具体的影響と本質的な論点」 というものです。
人材紹介業にも大いに影響があることで他人事ではありません。
派遣業と紹介業の垣根が、益々低くなると予測されます。
下記抜粋は、派遣法が改正されたら、どれぐらいの人が職を失うか? を試算しています。
(派遣労働者への影響)
(A)日雇い派遣・スポット派遣の禁止 ―― 失職可能性 51.0%
社会保険等の加入要件を満たさない2カ月以下の短期派遣がすべて禁止になる場合、推定対象者18.0万人の51.0%である9.2万人が、仕事を失う可能性がある。
(B)登録型派遣の禁止(製造業務除く) ―― 失職可能性 46.6%
常用雇用以外の自由化業務に従事する24万人(製造業務除く)の派遣労働者が対象になれば、11.2万人に失職の可能性が発生する。
(C)製造業派遣の禁止 ―― 失職可能性 31.9%
製造業派遣禁止にともなう失職可能性は31.9%であった。製造業務に従事する、常用雇用以外の派遣労働者20万人が禁止の対象となる場合、6.4万人が失職する可能性がある。
これを合計すると、9.2万人+11.2万人+6.4万人=26.8万人
これだけの人が失職する可能性があるとすれば、現政権はどのようにリカバリーするつもりでしょうか?
(企業への影響)
中小企業への影響は深刻である。なぜならば、登録型派遣や製造業派遣等が禁止になれば、企業は季節変動や業務の繁閑に対応することが難しくなり、「人件費の固定化による経営の圧迫」や「短期注文などの受注機会の喪失(それにともなう収益の悪化)」が起こる。人材の募集、選考、管理に関する業務負担が増えるため、そのような業務に人員をさくことができない企業では、事業そのものに支障が出る。 中小企業には、知名度の低さ等から、ハローワークや有料の求人媒体を使っても、十分な採用ができない企業が少なくない。このような中小企業は、派遣会社を活用することによって労働力を確保している。
(派遣会社への影響)
登録型派遣等が禁止されれば、派遣会社の倒産は相当数に上り、請負や紹介への業態転換も進むだろう。採用や労務管理の代行を模索する派遣会社も存在する。派遣会社各社は、企業の要望と自社が転換可能な新業態をにらみながら、法改正の行方を見守っている。
(派遣制度のあるべき姿)
派遣労働を禁止することによって、一定の合理性をもつ労働力の需給インフラをつぶすのではなく、雇用の柔軟性を認める代わりに、労働者にとって、雇用の不安定さに見合うだけの保護や安全性を構築することが重要だと考える。
上記のように、一定のセーフティーネットと需給インフラの両立が課題です。
登録型派遣がダメになれば、派遣会社は生き残りのためにアウトソーシング事業か紹介事業に注力する
しかなくなります。
そうなれば、ただでさえ縮小している紹介業の市場に、派遣会社が本気で参入してくることになりそうです。
当然、先進国市場並みに成約単価も下がるでしょう。
これにネット媒体なども加わって、更に競争が厳しくなり、淘汰の時代を経て本物だけが残る。
そのようなプロセスを経て、この採用(転職)支援ビジネスが成熟して行くのでしょう。
我々はもっと強くならなければいけませんね。
何が起こっても自分の信念に従って前に進むだけです。
「いちずに一本道 いちずに一ツ事」 みつを
合掌。
※弊社HP↓。