人材紹介業の市場規模は2600億円? それとも1400億円?
市場調査をしていただけるのは大変ありがたいのですが、全く異なる数字が出て来ると混乱するのです。
厚生労働省の調査では、2008年度の人材紹介業の届出制手数料の合計は、2631億円です。
ところが、先週11月13日に矢野経済研究所が発表した「人材ビジネス市場に関する調査結果2009」では
2008年度の人材紹介市場規模は、1390億円 となっています。
2倍近い差です。どちらを信じればよいのでしょうか?
皆さん、厚生労働省に虚偽申告してないですよね?
「人材ビジネス市場に関する調査結果2009」:http://www.yano.co.jp/press/press.php/000555
厚生労働省の調査は、全19職業(その他含む)に渡っています。
ホワイトカラーの主要4職業である「専門的・技術的職業」、「管理的職業」、「事務的職業」、「販売の職業」
だけでも、小計 2338億円 あります。
一方、矢野経済研究所の調査は、
・調査対象:オフィスワークを中心とした人材派遣事業者、人材紹介事業者、再就職支援事業者・・・・・」
と、なっております。
オフィスワークを中心とした職業となれば、前述の4つの内、「専門的・技術的職業」、「管理的職業」、
「事務的職業」 となります。
「専門的・技術的職業」 の中には、流行の 「看護師」 や 「医師」 も含まれています。
この3職業の小計は厚生労働省の調査では、2028億円 です。
まだまだ、矢野経済研究所が発表した 1390億円 とは大きな差があります。
矢野経済研究所の調査方法は、下記のように書かれています。
調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送によるヒアリング、ならびに文献調査併用
何社と面談し、何社からアンケートが戻り、どんな文献を併用したのか?
できれば冒頭に書いていただきたかったです。
詳細は是非、矢野経済研究所の「人材ビジネスの現状と展望 2009年版」をご購入ください。
しかしそれよりも、矢野経済研究所の市場予測に注目です。
・人材派遣業 2008年度 4兆6700億円 ⇒ 2009年度 3兆8800億円 (前年度比16.9%減)
・人材紹介業 2008年度 1390億円 ⇒ 2009年度 800億円 (前年度比42.5%減)
・再就職支援業 2008年度 165億円 ⇒ 2009年度 190億円 (前年度比15.2%増)
前年度比の予測は、何となく実感値と違和感が無いのでおもしろいです。
しかし、2009年度の人材紹介業は、 800億円 ですか?
これは、リクルート、インテリジェンス、JAC、エス・エム・エス、パソナなど上位の会社を数社集めたら
すぐに400億円ぐらいになりますから、残りの400億円を1万社で分けたら、1社当り400万円しか
売れないことになります。
5000社で分けても1社当り800万円ですよ。
そんな悲惨な話はないでしょう?
もしこれが現実になったら、ほとんどの会社は撃沈です。
この予測が現実にならないように、皆さん、頑張りましょう!!
「途中にいるから中ぶらりん 底まで落ちて地に足が着けば ほんとうに落ち着く」 みつを
合掌。
※弊社HP↓。