いつまでたっても人は見抜けない。
もうこの仕事をやって26年、その他にも自社の採用も含めると一体何千人に会っているかわからない。
それでも相変わらず、人というものは見抜けないものですね。
「自分は面接のプロだ!!」 とか言っている人事の会社でも何人も社員が退職しているわけですから
「バカヤロー!! 何が面接のプロじゃ? 不遜な事を言うな。」 と思うのです。
多くの人は、都合の良い成功事例だけ覚えていて失敗事例は忘れている。
人と言うのはそんな単純なものではない。
ただ勉強ができる人、数学や国語や英語ができる人を採用しなさい、と言われれば誰でもできる。
しかし、会社で働くために必要な能力や性質というものは、デジタルに点数化できるものではない。
もっとアナログで深い尺度が必要なものだ。
昔は、エグゼクティブを採用する時は、食事を共にするのは当然、マージャンとゴルフも一緒にしてから
見極めなさい、などと言われたものだ。
食事(酒)、マージャン、ゴルフを一緒にやると、隠しても人間性が出ると言うのだ。
それは確かに日中の面接だけよりも、遥かに深い部分を知る事ができるかもしれないが、
食事(酒)、マージャン、ゴルフもそれぞれ1回ずつでは大した事はわからんだろう。
実際、忠実にこのようなプロセスを踏んで採用しても辞める人は辞める。
昔、リクルートのキャリアカウンセラー採用や研修トレーナー採用は、二泊三日の合宿選考会まで
やっていた。
合宿選考会まで残る人は、既に何回かの面接を通過している。
最終選考が合宿選考会なのだ。
そこまでやって採用しても、当りもハズレもある。
そんなものだ。採用スキルに絶対的なものはない。
我々の人を見る目や企業を見る目も極めて不完全だ。
特に、入社後中長期的にその人がどれぐらい活躍するか? というのは当然わからない。
しかし、「わからない」 から投げやりになっているわけじゃない。
連日、「この人なら良かろう」 と思って真剣に紹介しているのだ。
しかし、数十分の一ぐらいの確率でミスは起こる。
なかなか無くならない。
ミスマッチが起こればその都度、 「どうしてだろう? なぜ見抜けなかったのか?」 と思い返し
もう二度と同じようなミスは繰り返すまいと反省するのだが無くならない。
それはそうだ。
一例たりとも同じ人と同じ企業という組み合わせは無いのだから。
毎日直面する全てが新たな組み合わせなのだ。
「パターン化しろ!!」 などと言う人もいるが、百人百様、百社百様でそんな簡単なものではない。
不幸にしてミスマッチとなってしまった人や企業には誠に申し訳ない。
ただ、それだけ新鮮で難しく答が出ないものだから、26年も続けているのかもしれない。
逆に 「あの人がそんなに活躍して取締役になった?」 などというケースもあるのだ。
必然など無く全てはドラマだ。
「なやみはつきないな 生きているんだもの」 みつを
合掌。
※弊社HP↓。