ホーム > 社長ブログ > お宅はどんな「そばや」ですか?

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

お宅はどんな「そばや」ですか?

お宅はどんな「そばや」ですか?


先日、 「探客力が勝負」 という話を書いたが、今日はちょっと角度を変えた話だ。

以前は、待ってりゃ求人は来る、登録者も来た。

それをマッチングすれば決まった旧き良き時代を忘れろ、というのは厳しいが、

いい加減にその思い出と決別しないと二度と良い時代は訪れない。

景気が戻っても駄目だ。

以前より競争が厳しいので、1社当りの分配が少なくなる。

1997年は全国で300事業所しかなかった同業者が、2008年に15000事業所となり、競争は50倍となった。

ただ、事業撤退・廃業・倒産相次ぎ、実際にまともに人材紹介をやっているのは40%程度だろう。

従って、リアルな事業所数は6000事業所で、1997年対比で競争は20倍だ。

それに対して、1997年の市場規模は450億円、2008年の市場規模は2600億円と約6倍程度。

更に2009年の市場規模は概ね40%減として1500億円と仮定した場合、1997年対比でわずか3倍。

市場規模は3倍なのに、競争は20倍になっている。

この数字、マーケット感覚が鋭い人なら、何となく 「そんなもんかなー。」 と思うでしょう。

とにかく昔と比べると決まらなくなった、おいしい仕事じゃなくなった、と思っているはず。

日本という国は発明は苦手だが、発明されたものを理解すれば、応用して発展させるのは得意だ。

ある程度の所までは、あっという間に欧米先進国に近づく。そこから先が問題だが。

日本は業務の効率化や標準化、もっと言えば工業化に長けている。

その際たるものが、大手人材派遣会社、並びに、大手人材紹介会社だ。

40年以上前に日本に人材派遣業を持ち込み首位だったマンパワー・ジャパンは、今やその勢いはない。

スタッフサービス、テンプスタッフ、パソナなど、後発の日本企業に抜き去られた。

アデコの前身は大半が旧キャリアスタッフなので、外資とは言え基礎になっているのは日本企業だ。

しかし、今回の不況で日本企業の工業化技術の限界も露呈した。

単純な効率化や標準化では、顧客の欲求を満たせない。

昔から満たせていなかったが、それでも儲かるので放置したツケが回って来た。

顧客は、もっと多様な、もっと上質な、もっと個別のサービスを求めている。

派遣業や紹介業が目新しい時期は、量とスピードの勝負だった。

しかし、目新しさがなくなり、顧客の目が肥えた今は厳しい。

東京の「そばや」 を見てほしい。

金持ちが昼間から何千円も払って日本酒を飲みながら2時間ぐらいだらだら食っている高級そばや

一方で貧乏暇なしサラリーマンが300円のそばを3分でかきこむ 「小諸そば」 のような立ち食いそばや。

その中間ぐらいのそばや。

意外につぶれていない。

それぞれが自店のファンを持っている。

我々の業界もこのようになっていく。

先日、街中を歩きながら飲食業界の達人社長に聞いた。


私:「社長、歩きながら店を眺めただけで繁盛店か、流行らない店か、わかりますか?」

社長:「うん、わかりますよ。」

私:「ほー、まずは何がポイントですか?」

社長:「まずは外から見て、何屋なのか? はっきりわかることが第一の条件です。

   何屋かわからない店に、初めての人は普通入りませんよね。」


私:「なるほどー、確かに。」

我々は、自分の会社がどんな「そばや」なのか? 

はっきりさせる時が来ています。

欲張って全ての顧客を取り込もうとすると、沈み行く大手外食チェーンのようになるでしょう。

「梅の木に梅の実 柿の木に柿の実 それでよいのです」   みつを

合掌。

※弊社HP↓。

http://www.agent-shokai.jp/


記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ