日本の会社の多くが、3月末決算です。
4月には新卒も入社します。
大きな組織変更や人事異動など、1年で最も忙しく、期待と不安が入り混じる時期です。
特に今年は、厳しい来期を何とか乗り切るための「選択と集中」が露骨に行われそうです。
人事も「背水の陣」で、「最後のチャンスだよ。ここで駄目だったら、来年は知らないよ。」
というような意味が込められたシビアな異動も多くなるでしょう。
これまで何度も繰り返してきた事ですが、今年はより鮮明で聖域をつくる余裕が無いものに
なるでしょう。
3月16日の日経新聞に、下記のような記事が掲載されていました。
「リクルートは2008年、仕事を通じて実現したい本人の「思い」を記入する「Will(ウィル)シート」を
人事考課に導入した。数値目標を軸にした従来の成果主義を、2~3年後の自分の夢を言葉にして
上司に伝える形に改めた。改革のきっかけは、受身な姿勢が目立つ社員への危機感だった。」
リクルートの管理職の実質的な定年は、40歳前後だと思うんです。
早い人は30代後半で役員になるので、その人の同期や先輩社員は当然自分の居場所とか役割を
問われる感じになります。
また、後輩を見渡しても、自分よりできる人間が幾らでもいるとなると、もうゆっくりしてられません。
この「Will(ウィル)シート」なるものは、これまでよりも実質的な定年を早めようというものだと
私は勝手に解釈します。
「40歳前後ではなく、30代前半ぐらいで、リクルートを卒業できるように、今から準備を始めておいてね。」
という実に親切なキャリプランシートですね。
皮肉で言っているわけじゃないんです。
確かに、どうせ卒業するなら、早くから準備を始めて、若い内に次のチャレンジをした方が有利です。
結果として、会社の平均年齢も常に若く保たれ、バイタリティーを維持できます。
社員にも会社にも良い、一挙両得な人事考課システムです。
「若さだけで良いのか? 年長者の知恵は必要ないのか?」 と言われても、リクルートがやってきた
ビジネス、これからやるであろうビジネスが、変化対応力と言うか、変化先取り力を求められるものなので
仕方ないです。
私のように、未だに携帯電話も使いこなせないような人間に、リーダーは務まりません。
リクルートのような会社は、初めから学校だと思って入らないと、
「えー!! 俺はまだ若いのに、もう卒業しないといけないの?」
という結果になります。
社員数や売上は大企業でも、ベンチャー企業だと覚悟して入社しないといけない。
少なくとも、この学校で少々勉強すれば、卒業しても何とかなるわけですから。
しかし、出世や昇給などあきらめて、目の前の仕事に真摯に取り組めば、本当に定年まで
働ける会社でもあります。
そうやって本当に定年を迎えた上司もいるし、同様に将来静かな定年を迎えるであろう人もいます。
自分の仕事はちゃんとやって、家族との時間や趣味を大切にして、細く長くやっていく。
ワークライフバランス重視派です。
このような人たちも、仕事にはプロ意識を持って取り組んでおり、重要な役割を果たしています。
戦国大名 みたいな人ばかりじゃ、組織は成り立たないです。
草食動物がいるから、肉食動物も生きられる。
どっちが良い悪いではない。それぞれの人生です。
「しあわせは いつも自分のこころがきめる」 みつを
合掌。
※弊社HP↓。