「多様な顧客ニーズ」に対応してはならない。
昨日に続き、リンクアンドモチベーションの小笹社長のメッセージです。
続いて、下記のように述べています。
「最近は顧客ニーズが多様化、高度化してきている。わが社もこの多様化時代に対応していかなければ
ならない。」
よく耳にするリーダーの発言ですが、実際にそんなことをしたら会社は倒産します。
組織の内部資源は有限です。一定の内部資源しか持たない組織が、多様化した顧客ニーズのすべてに
対応していくと、結果として組織の疲弊や利益の喪失という事態を招くことになります。
リーダーが行うべきは、多様な顧客ニーズに対応するのではなく、その多様なニーズのどれに答えて、
どれに答えないのかを「選択」することです。
具体的には、以下の2つの方法があります。リーダーはどちらかを選び、自らが持つ資源をそこに
集中させることが大切です。
1 多様化しているニーズから、自分たちが対応するニーズを取捨選択する。
2 多様化しているニーズを統合して、1つのコンセプトにまとめる。
1はニーズを「分けること」、2はニーズを「くくること」だと考えてください。
今の人材紹介会社が突きつけられているテーマですね。
しかし、小笹社長が言っている、上記1と2、どちらを選ぶのかは、なかなか難しいですね。
それに関して、小笹社長は、次のように述べています。
1の「分けること」、2の「くくること」のどちらの対応が有効なのかは、その時々の環境次第です。
リンクアンドモチベーションは、「人材採用のニーズ」「人材育成のニーズ」「人事制度のニーズ」などを
抽象化して、「モチベーションの高い集団を作り、組織を活性化させる」というテーマでくくって、
顧客ニーズに対応するという方策を選択していますが、創業時の初期段階においては「分けること」を
選択しました。
「モチベーション」というニーズだけに対応することによって、モチベーションの向上による企業の活性化
というテーマに関心を持たない企業は顧客対象から除外しました。つまり、モチベーション以外のテーマは
すべて捨てたわけです。
思い切った選択でしたが、その方法でオンリーワンの存在になれたと思います。
私なりの解釈ですが、要するに、創業時は見込み客群をつくるために「モチベーション」という言葉を
利用した。
その見込み客が順調に顧客化されていく中で、「モチベーション・エンジニアリング」というキーワードを
生みだし、より強固に顧客をくくることに成功した。
うーん、難しい。
人材紹介業では、「モチベーション」とか「モチベーション・エンジニアリング」のような、顧客を分けたり、
くくったりできる抽象的で便利なキーワードは見つかるのだろうか?
難しいけど、時にはこんな事も考えないとね。
しかし、こんな事ばかり26年間も考えて来たのに、まだ見つからないのかね?
多分、「タイプマッチング」とか「失敗の少ない採用と転職」とか、その辺だと思って、
そんな事を気にして日々仕事をしているのですが・・・・・・・・。
「考えてばかりいると日がくれちゃうよ」 みつを
合掌。
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