「人の話を傾聴する」
私なりの解釈ですが、「傾聴」とは、耳と心を傾けて相手の話を聞ききることだと思っています。
これは我々、人材紹介に携わる者にとって大変重要な事ですね。
でも、実際にできているコンサルタントは、どれぐらい居るでしょうか?
先日、来社された人は、私と話している途中で泣きました。
今の会社で余程つらい事があったようで、話している内に思い出してしまったようです。
初対面で泣いてもらえるのは光栄です。
「受容」と「共感」が大事だ、と言えば簡単に思えますが、実際に相手の話を聞ききるためには、
こちらからの能動的なアクションが必要です。
1 静かな落ち着ける環境を整える。
2 尊敬の気持ちを初対面の挨拶に込める。深く静かなお辞儀。丁寧だけど柔らかい言葉遣い。
3 「貴方の事を深く知りたい!!」という強い興味・関心を質問を通して伝える。
一緒に人生を振り返る。
どのように生まれ育ち、何に関心やこだわりを持って生きてきたのか?
・「なぜ、この会社を選んだのですか?」
・「その業界に、なぜ興味を持ったのですか?」
・「それには、いつ頃から興味があったのですか? きっかけは?」
・「実際にやってみて、どうでしたか?」
一つの質問で終わらず、ポイントになる点に複数の質問を集中させ掘り下げていく。
それによって、こちらも理解が深まるし、相手もあらためて自分の棚卸しができる。
4 相手の言葉を聞きながら、言葉で終わらせる事なく、頭の中で映像化してイメージする。
嬉しかった事、悲しかった事、充実感や達成感を味わった事、悔しかった事、などを
想像しながら、「なるほどー。」「凄いですね!!」「いやー、それは大変でしたね。」とか
相槌を打ちながら、ゆっくり自然に深くうなずく。
これをやっている内に、相手の人生を共に生きている感覚になる。
5 相手からもよく見えるように、大きく丁寧な字でメモを取る。
これによって、更に相手は、「自分の話を真剣に聞いてくれている。」という認識をする。
また、メモの内容を共有する事によって、思い違い・考え違いは無くなり、自然と今後進むべき方向が
見えてくる。
相手に良かれと思えば、他の紹介会社への登録や、他の転職手段も積極的に奨める。
実家(ご両親・兄弟、出身地)や家族構成(配偶者やお子さん)の事、住宅ローンの事などを
自然と聞けたら、もう距離感は近くなっている。
求人を紹介して成約に至る事が目的ではなく、
相手の事を深く知る事、そのものが目的のような気がします。
初対面の相手に、そこまで自分の事を話してもらい、その人の人生に共感できたら、
この仕事は大半終わっているような気がします。
そこから先は、どれを選択するか? という現実的な話になりますので、自ずとどこかに
決まっていくわけです。
そこまで関われれば幸運ですが、そうでない場合の方が多いので、話を聞かせてもらっただけでも
満足しなければいけないと思います。
合掌。
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