「人生いろいろ 転職もいろいろ」
このEさん、私の知人のAさんの紹介で相談に来た。
43歳で、6社経験は仕方ないが、最近の3社の在籍期間が短すぎる。
「うーん。大変厳しいが、Aさんの紹介では断るわけにもいかんな。」
という感じで会った。
会ってすぐに、
「なんておもしろい人なんだろう。営業向きの明るい人だな。」
と思った。
どんな環境でもそれなりに生きていけそうな人だ。
この人なら、人柄だけでも売り込めるかもしれない。
そんな折、丁度、新規の求人が入った。
派遣会社で人材紹介を立ち上げるための人材募集だ。
Eさん の人材紹介の経験年数は1年程度だが、その1年で凄い実績を上げている。
「これは売り込める。」
と思い、すぐにその新規のクライアントに売り込んだ。
予感は見事的中し、社長に気に入っていただき内定した。
社長:「うちの会社はおとなしい人ばかりだから、Eさんみたいな人が欲しかった。」
との喜んでくださった。
ただ、喜びもつかの間、私は青ざめる。
社長が、Eさん に大学の卒業証明書の提出を求めた。
ところが、2~3日経っても、Eさん から返事がない。
そこで、私がプッシュしたら、わけのわからん言い訳をした。
そして更にプッシュしたら、
Eさん:「済みません。
実は大学は卒業してません。
4年まで通ったんですが、アルバイトをしていた会社に就職が決まったので
卒業せずにフェードアウトしたんです。」
私:「えー!!
それは履歴詐称になりますよ!!
信用問題ですよ!!
内定も取り消しになりますよ!!」
Eさん:「いやー、本当に済みません。
明日、先方にうかがってお詫びします。
何より、武谷(たけや)さんに申し訳ありません。」
私:「いや、私より先方様ですから、一緒に明日お詫びに行きましょう。」
こんなとんでもない展開になったのです。
翌日、Eさん とクライアントのビルの1Fで待ち合わせして、社長と取締役にお会いしました。
この段階では、Eさんが 大学を卒業していない事は、クライアントにお話ししていません。
従って、大変良いムードでオファー面談が始まりました。
益々本当の事を言いにくい雰囲気になります。
一通り、社長のお話が進んだところで、覚悟して切り出しました。
私:「社長、大変申し訳ない事が判明しましたので、今日はお詫びに参りました。
Eさんは、実は大学を卒業されていません。
誠に申し訳ございません。」
Eさん:「本当に申し訳ございません。」
社長:「そう?
Eさん、どういう事か説明してください。」
ここから、Eさんが 過去の経緯を説明しました。
社長:「わかった。
そんな20年も前の過去の事を今更どうこう問題にするつもりはないよ。
私は、Eさんに会って、是非入社してもらいたいと思ったから、それでいいじゃない。」
私&Eさん:「・・・・・・・・・・・・???
あ、ありがとうございます。」
社長のあまりに寛大な対応に驚きと感動を覚えたのは言うまでもありません。
しかし、Eさん、つまらないウソをつくもんじゃないよ!!
今後も調子の良さで世の中渡っていけると思ったら、大きな大間違いだよ!!
真面目に働いて社長に恩返ししろよ!!
合掌。
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