「人生いろいろ 転職もいろいろ」
Dさんは、旧帝大を卒業し、メガバンク に就職したエリートだ。
「中小企業のために働きたい。」
と高い志を抱いて入行したら、実際に現場でやらされたのは、「貸し渋り・貸しはがし」だった。
夢破れて2年で退職した。
そこで、運命の会社と出遭った。
求人サイトに掲載されていた。
HPの経営理念を見て、すぐに会社説明会に行った。
やはり、素晴らしい会社だと思った。
「是非入社したい。」 と思い、面接に進んだ。
しかし、結果は不合格だった。
不合格になったのに、面接のお礼状を書いて送った。
その手紙を社長が読んで感激した。
再度、面接が行われ、Dさんはその会社に入社した。
この会社は、ベンチャー企業ながら、
「世の中を明るくしよう!!」
という壮大なミッションを掲げていた。
社員も全員それに共感し、猛烈に働いていた。
Dさんも、人一倍、それはもう過労で死んでもおかしくないほど働いた。
夢中で6年が経過した。
ふと自分が30代になっている事に気づいた。
自宅にいる時間はほとんど無く、奥さんとの会話もままならない生活だった。
俺は一生、このままでいいのか
また、「『世の中を明るくする』という壮大なミッションに自分は本当に貢献できるのか?」
という自分の限界も感じ始めた。
「もっと地に足着いた心豊かな生活。自分なりの身の丈に合った社会貢献の道はないか?」
そんな事を思っている時に私と会った。
大阪と東京なので、初めは電話での面談だったが、それでも人柄や情熱や知性は伝わる。
私のクライアントに、
「無理せず当り前の事を愚直にやり続けて、社会に貢献しよう。
そして、仕事に偏ることなく、社員個々人も心豊かな人間になろう。」
というミッションを掲げている会社を紹介した。
Dさんは、面接を通じて、このミッションこそが今の自分が求めているものだと感じた。
他にも条件的に有利な会社は無数にあったが、Dさんは、この会社に入社するために
関西を離れた事がない奥さんと、そのご両親を説得して上京した。
入社後、Dさんと飲んだ。
熱い人だな。
昔、こんな人が結構いたと思うが、最近はあまり会わなくなったような気がする。
こんな日本人がまだいる。
それが嬉しかった。
Dさん、今後もお互いに青臭い人間でいましょう。
合掌。
※弊社HP↓。