2000年2月に、16年間お世話になったリクルートエイブリックから、JACジャパンに転職しました。
JACに入社した日に、自分のデスク に初めて座った時の事です。
もちろん、PC は既にセットされていました。
そして、引き出しを開けると、ノート、ボールペン、シャープペン、電卓、消しゴム、ホッチキス、
のり、定規、クリップなど、仕事に必要な文具がきれいに整理され入っていました。
それも全て新品でした。
感激しましたね。
入社初日に、田崎ひろみ社長(当時会長)から大事な話があるとの事で、部屋に呼ばれました。
田崎ひろみ会長:「武谷(たけや)さん、貴方も38歳で初めての転職だから、この会社に来て
これからいろいろ苦労すると思います。
思っていた事と違う事もあると思いますよ。」
私:「いろいろとお気遣いいただき、感謝しております。
ありがとうございます。」
田崎ひろみ会長:「武谷(たけや)さん、転職は初めの1年間、我慢できるかどうかですよ。」
私:「初めの1年間ですか」
田崎ひろみ会長:「私も転職経験もあるし、いろいろな人を見てきたから、よくわかるわよ。
ほとんどの人がね、前の会社に満足できなくて転職して来るのに、
新しい会社で何か嫌な事があると、前の会社の良い部分ばかりを
思い出すのよ。
人間って都合がいいものでね、前の会社の悪い所は忘れてしまって、
良い所ばかり思い出して、新しい会社の嫌な所と比較してしまうのよ。」
私:「そんなものですか」
田崎ひろみ会長:「私の経験上、ほとんどの人がそうですよ。
特にその症状がひどくなりやすいのが、初めの1年間なんですよ。」
私:「確かに、この仕事をしていると転職して辞めてしまう人は短期間で辞める人が多いですね。」
田崎ひろみ会長:「そうなんです。
ただね、最初の1年間我慢できたら、その後は長続きする場合が多いでしょう?」
私:「確かに。」
田崎ひろみ会長:「ですから、最初の1年間、武谷(たけや)さんも我慢ですよ。
いいですか?
今日、私から聞いた事を忘れないで、何か嫌な事があったら思い出してください。」
私:「わかりました。」
田崎ひろみ社長:「そして、悩んだ時は、いつでも私や田崎の所に来て、遠慮なく話してください。
自分だけで悩まないで。
今日から私たちは家族みたいなものなんだから。
いいですね。
一緒にいい会社にしましょう!!」
私:「ありがとうございます。
ご期待を裏切らないように頑張ります。 」
今思い出しても、この日、ひろみさんからいただいた言葉には、胸が熱くなる思いです。
単なる言葉ではなく、経験に裏打ちされた深みがありました。
また、話される時の表情が、じっと私の目を見て、 一言一言に魂 を入れて話されているので、
凄い迫力があるのです。
コンサルタント時代も、このド迫力のクロージングで、常にトップだった事が想像できます。
あの雰囲気で迫られたら、首を横には振れませんね。
まさに、「蛇に睨まれた蛙」 状態です。
あの迫力は、過去の人生で苦労され、数々の修羅場をくぐってきた人にしか出せないものです。
その後、確かに最初の1年間は、前職と同業界の会社とは言え、社風や社員のパソナリティーが
全く違ったので驚きや戸惑いの連続でした。
しかし、何かが起こった時は、田崎ひろみ会長の言葉を思い出し、
「そうか、こんな時の事を言っていたんだな。」
と考えると多