欧米先進国に行くと、街中に多数のエージェンシー(人材紹介&派遣会社)がある。
それもビルの1Fでガラス張りのエージェンシーが多い。
ロンドン など歩いていると、まるで不動産屋さんみたいだ。
秘書・アシスタント専門とか、経理専門とか、たくさん書いてある。
不動産屋さんみたいに、ペタペタ仕事情報が物件情報みたいに貼ってある。
これを、「ストリートエージェンシー」 と呼ぶらしい。
日本も街中で数多くのエージェンシー(人材紹介&派遣)の看板を見るようになったが、
まだ1Fを店舗にしている会社は少ない。
逆に、個人情報の守秘の問題で、1Fを避けるエージェンシーが多数派だ。
1Fを店舗にしているのは、リクルートの転職ショップと一部の派遣会社ぐらいか?
そもそも欧米のストリートエージェンシーやリクルートの転職ショップでは、低年収層が主たる顧客だ。
当然、欧米でも高年収層は、ガラス張りの1Fのエージェンシーに登録したりしない。
また、FEE(成功報酬)の割合も、年収の5~30・40%などと異なる。
ただ、欧米では日本の不動産屋さんと同じぐらい、人材エージェンシーが生活に密着しているのは
事実であり、日本も遅ればせながら着実にその道を歩んでいるように思える。
欧米では、ホワイトカラーの90%以上が常時どこかのエージェンシーに登録していると聞いた。
また、低年収層では、紹介と派遣の垣根など無い。
登録者:「はーい。こんちは。
私、先週会社を辞めたんだけど、何かいい仕事ない」
コンサルタント:「はーい。お久しぶり。
そうだったの?
貴方なら、すぐにでもいい仕事があるわ!!
例えば、テンポラリーだけど、給料の高いこんな仕事があるわよ!!」
登録者:「なかなかいいわね。
気に入ったわ!!」
コンサルタント:「じゃあ、来週から働けるように、この会社に電話するから待っててね。」
こんな感じで決まってしまいます。
それから1ヵ月後。
コンサルタント:「元気でやってるみたいね。
貴方の評価は抜群よ!!
会社側は、できればパーマネントで働いてほしいと言ってるわ!!」
登録者:「私もこの会社、とても気に入ったわ!!
是非、正社員として働きたいわ!!」
こんな感じで、いつの間にか自然に正社員になってしまう。
JACの田崎ひろみ社長に聞いたら、TTPとか紹介予定派遣などという言葉すら存在しないらしい。
田崎ひろみ社長:「だいたい、日本は何でも遅れているのよ!!
原則不自由の国でしょう?
お役所が何でも決めて監理監督して、承認しないと何もできない。
イギリス は逆ですよ。
原則自由なんです!!
その代わり、悪い事をした業者は厳しく罰せらますよ。
それが大人の社会でしょう?」
私:「おっしゃる通りですね。」
田崎ひろみ社長:「イギリスでは民間のエージェントと職安? ハローワーク? もタイアップしてるの。
イギリスのハローワークの登録者を民間エージェントが決めたら利益を分け合うの。」
私:「やっぱり進んでいますね。」
田崎ひろみ社長:「イギリスでは、駅前に必ずパン屋さんがあって、その横に人材エージェンシーが
あるのよ。
日本では不動産屋さんが必ず駅前にあるでしょう?
あんな感じで人材エージェンシーがあるわけよ。」
私:「もの凄い数の店舗があるんでしょうね?」
田崎ひろみ社長:「そう。
でもね、武谷(たけや)さん、日本も必ずそうなりますよ!!
私の予言は必ず当たるから覚えておいてね。
アデコとか、マンパワーとか、大きな派遣会社が必ずやります。
彼らは外国で既にそうしてるから。」
8年前の会話だが、確かにひろみさんの言った方向に進んでいるように見える。
最近のM&Aの実情を見ても、人材ビジネスもいよいよ日本国内 での競争から、海外を含めた
グローバル市場 での競争の時代に入った。
しかし、こんな時代だからこそ、我々のような小さくて特色があるエージェントが生き残るのです。
アメリカ の事情を見ても、そのようになっている。
小さいエージェントが生き残るキーワードは、「本質的なコンサルティングへの回帰」 だそうです。
要するに、「真面目にやれ!!」 という事ですね。
合掌。
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