結局、ロンドン には二泊しました。
二泊目の夜は、現地の取締役やマネージャーに、チャイニーズの店に連れて行ってもらいました。
こちらは、日本の我々二人と、シンガポールの落合社長、当時のマレーシアの社長、
他シンガポールのスタッフ二人が業績優秀でロンドンに招待されていて、
一緒に会食したと思います。
ここは、さすがにまともな味の料理でした。
翌日は、夜明けと共に出発。
いよいよポルトガル に向います。
シンガポールの落合社長、当時のマレーシアの社長も一緒です。
それにしても、自分の人生でポルトガル に仕事で来るとは夢にも思わなかったなー。
目的地は、ファロと言うポルトガル南部の空港の近くに開発された、大きなリゾート地です。
ポルトガル がEUに加盟した事によって、最近、急速にリゾート開発が進んだのです。
英国資本とドイツ資本 が大量に流入しているようでした。
だから、リゾートも英国人 が集まる所と、ドイツ人 が集まる所に自然と分かれているんです。
多額の外国資本流入のため、当時のポルトガル は30%の経済成長をしているとの話でした。
行きの飛行機の中は、リゾートでバカンスを過ごす英国人の家族連れやカップルばかり。
ビジネス目的で行くのは、私たちぐらいでしょう。
指定席ではなく、このリゾート行き飛行機は予約を取るのが大変というだけあって満席で
座席の取り合いです。
座席も狭く外人はでかいし、また足を伸ばしたり、前の座席を蹴ったりする人間もいて、
外人のカップル同士が機内で大喧嘩して楽しかったです。
ロンドン からファロ までは、直行便でも4時間程度のフライトで、結構遠いんです。
一体どんな場所なんだろう?と不安を覚えながら、やっとファロ空港に到着。
初めて行った時は、まだ拡張前だったので、体育館 みたいなガランと殺風景な空港でした。
*通算3回行ったのですが、その度にファロ空港は拡張整備され、今では立派な空港に
変身しています。
到着したら、なんとわざわざ田崎オーナーご夫妻が、迎えに来ていただいていました。
リゾートなので、お二人ともサングラス に短パン姿 だったと思います。
ご夫妻:「いらっしゃい!!
飛行機、混んでたでしょう?」
我々:「はい。満席でした。」
田崎ひろみ会長:「まず、貴方たちは自分のレンタカー を借りなければいけないのよ。
これから一緒にレンタカー屋さんに行きましょう!!」
そう言われ、我々はレンタカー屋さんに着いて行きました。
そんな中、いきなりマレーシアの社長が 携帯で電話をしながら歩いていたので、
我々:「誰と話したんですか?」
マレーシアの社長:「いや、今、ポルトガル に着いたと家内に電話しました。」
我々:「えー!! ここからマレーシアにつながるんですか!!」
マレーシアの社長:「もちろん。」
田崎ひろみ会長:「貴方たち、だから日本は駄目なのよ!!
電話も日本だけ違う方式でやっているから、貴方たちだけつながらないでしょう?
私たちも他のイギリスの役員も、みんな国内にいる時のように、オフィスと電話で
仕事の指示をしてるわよ。
本当にそういう所が日本 は駄目よ。」
私:「はー、そうですね。
NTTが独自規格にこだわっていますから。」
田崎ひろみ会長:「駄目よ。もっと世界 を見ないと。
武谷(たけや)君、総理大臣 に手紙を書きなさいと言ってるでしょう!!
このままだと、日本は益々遅れた国になるわよ!!」
私:「総理大臣に手紙ですか・・・・・・・。」
こんな会話をしながら、レンタカー屋さんで車を二台借りて、合計三台で、いよいよリゾートに
向いました。
空港から20~30分の距離です。
いかにも新しいバイパスを走っていきます。
街並みも再開発中で新しい建物が数多く建設中でした。
「こんな工事 ばっかりやっている所に、リゾート なんかあるのか?」
と思っていると、だんだんきれいな道になり、緑 が増えてきて、いきなり大きなリゾートの
入口のロータリーが現れました。
その中に入ると、大変きれいに整備された道と、南国らしい赤い屋根に白壁の新しいヴィラが
無数に建っていました。
ゴルフ場 やテニスコート、近隣にはレストランやスーパー、そして地中海に
面した美しいビーチ がありました。
この時のワールドワイド・ダイレクターズ・ミーティングの参加者は、まだ多くなかったですが、
全部で11~12人ぐらいだったと思います。
確かイギリス人が4名
、日本人が残り7~8名ですが、英語ができないのは私だけです。
日本代表の私と神村さんは、田崎ご夫妻のヴィラに宿泊し、他の8名ぐらいが
二つのヴィラに分かれて宿泊しました。
ヴィラは、どこも二階建てプール付です。
ヴィラは、芝がきれいなゴルフ場 を囲むように建っていました。
美しい花が咲き、鳥がさえずり、空気はきれいで乾燥しており、まさにリゾートです。
「ここで仕事するのか~。そういう気分になれないな~。」
「しかし、まずいぞ。
早速、明日のミーティングのプレゼンテーションの英語の練習しないと。」
私:「神村さん、済みません。
日本ではメイスン(日本のイギリス人マネージャーだった英国人)からレッスンを
受けたんですが、本当にこれでいいか? ちょっと私のプレゼンを聞いてみていただけませんか?」
神村さん:「いいですよ。どうぞ。(笑)」
神村さんに、15分ぐらいのプレゼンを聞いてもらって、幾つかアドバイスを受けました。
それを基に、更にプレゼンの練習をヴィラの二階で繰り返しやりました。
「不安は払拭できないけど、ここまで来たら、明日は出たとこ勝負だな。」
そして、ポルトガル 1日目のディナー の時間が来ました。
ヴィラから15分ほど走った所にある、海が見えるオープンエアーの高級シーフードレストランです。
*もちろん、全てのランチもディナーも全員揃っての会食です。
田崎さんご夫妻は、初参加で英語ができない私に、大変お気遣いいただきました。
横に座らせていただき、リラックスするように話しかけていただいたり、様々サポートしていただきました。
田崎ひろみ会長:「武谷(たけや)君、どう?
初めてのポルトガル、なかなかいいでしょう?」
私:「は、はい。
いいですねー。
日本じゃないみたいですね。」
田崎ひろみ会長:「何言ってるの!!
日本じゃないわよ!!
日本にはこんな場所は無いわよ。」
カチカチになりながら食べた高級シーフード料理、当然、何を食べたか?全く覚えていません。
さあ、明日は早朝から、いきなり山場のミーティングだ!!
その日は熟睡したかったので、ひろみ会長 に睡眠誘発剤をいただいて爆睡しました。
あー長い一日だった。
合掌。
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