JACジャパンを大きくする、上場させると決めて走り出しので、その方針に共感できないコンサルタントは
残念ながら辞める結果となりました。
「少数精鋭でやって高額所得者になりたい。会社から細かく干渉されたくない。」
という志向の人が辞めていくのは仕方ないです。
また、このような会社の方針に異を唱える人は、新たに入社してくる中途社員にも、
「会社は現場を無視して大きくしようとしている。現場の自分たちにメリットは無い。」
というような話を吹き込むので、折角フレッシュな人を採用しても、会社の方針と違う考え方に
染まってしまうわけです。
そうすると、折角採用した中途新人たちのモチベーションもみるみる下がり、業績も上がらず、
どんどん辞めていくわけです。
私が社長になった初年度も2年目も数十名の方が辞めたと思います。
平均在籍期間が1年を切っていた時期もありました。
これじゃあ、何をやってるかわからないですよね。
そこで、新卒採用をして、組織人とは?とか、業績目標とは?とか、人材紹介業の意義とは?とか、
基本的スタンスから一つ一つ教えて純粋培養し、組織の基盤となる集団をつくって、社員の定着率を
高めるしかないという確信に至ったわけです。
中途入社者を否定しているのではなく、みんな様々なバックグラウンドを持っているので、
一つにまとめにくいのは事実です。*それが中途入社者の強みでもあるのですが。
そんな中途入社者のためにも、新卒採用を断行し組織基盤を固めて、健全な社風というものを
つくらなければ、永遠に同じ事の繰り返しで、「三歩進んで二歩下がる」 になってしまいます。
最終的には、中途と新卒、半分半分ぐらいのバランスが良いと思っていました。
ただ、当時のJACは、全世界どこの法人でも新卒採用の実績はありませんでした。
新卒採用は、オーナーにとっても未知の世界なので、下記のような議論がありました。
田崎ひろみ会長:「貴方、そんなコピーも取れないような新卒なんて採用してどうするの!!
一人前になるまでに何年もかかるわよ!!
そんなに待てないのよ!!」
私:「いや、今時、コピーも取れない学生なんかいませんよ!!
パソコンのスキルは、社会人より上ですよ。
それから、一人前になるまでに何年もかかりませんよ。
例えば、リクルートエイブリックでは、入社初年度から1億円ぐらいは売ってますし、
2年目になれば、2億円は売れます。
分業制だから半額だとしても、初年度5000万円、2年目1億円です。」
田崎ひろみ会長:「それは会社の環境の違いでしょう!!
まあ、いいわ。
貴方や神村君がそこまで言うなら採用しなさい。
その代わり責任は取ってもらうわよ。」
結局、2年ぐらい、こんな議論があった末、何とか新卒採用に踏み切りました。
ただ、新卒を採用する前に、会社の方針に従わない社員には退場してもらわないと、
折角新卒を採用してもスポイルされてしまいます。
個別に話して会社の方針と、どうしても違う人は早く辞めた方がいいんです。
お互いに不幸だし楽しくない。時間の無駄です。
これに関しても、2年ぐらいかかりました。
JACのグループ企業は、世界各国にありますし、イギリスには少なくとも3社あります。
オーナーは、1年の半分はロンドン、半分は東京をベースに仕事をさ
れています。
当時は、5月下旬から11月初旬までロンドンにいらっしゃいました。
その間に、当時社員数60人だったJACジャパンが、いきなり新卒一期生を31人採用しました。
半分ぐらい内定辞退するかと思っていたのですが、辞退者はほとんどなく、2002年4月1日に
31人が入社しました。
この日が、JACジャパンが上場に向けて、本当の意味でのスタートを切った日です。
合掌。
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