昨年、あるクライアントから、当社からご紹介した複数の方々に対する面接結果の回答が来た。
結果は、5人の方をご紹介したのですが、内定されたのはお一人だけ。
他の4人の方々は、残念ながら不合格になってしまった。
クライアントも相当悩まれたらしく、
「本来ならば、あと二人採用しても良かったけれど、今回は厳しく判定させていただきました。
済みません。これに懲りずに、また良い方をご紹介ください。」
との事だった。
私:「そうですかー。結構、自信あったんですが、お一人だけですかー・・・・・・・。」
クライアント:「今回は、面接官が一人でも賛成しなければ採用しないという方針でしたので、
全員が採用したいという方は、Aさんだけになったんです。」
私:「参考までに、惜しかったのどなたですか?」
クライアント:「BさんとCさんです。」
私:「それぞれの不合格理由をお教えいただけますか?」
クライアント:「Bさんは、転職理由と志望動機に甘さが感じられました。
Cさんは、無難な感じなんですが、可も無く不可もなくと言うか、決め手に欠けると言うか、
そこそこの仕事はできるでしょうが、トップコンサルタントになるような可能性を感じません
でした。」
私:「なるほどー。
そのように言われますと、確かに否定はできないところがありますが・・・・・。
ただ、他社では十分採用ラインに到達している方々です。」
クライアント:「わかります。
当社も以前なら採用したと思います。
厳しくて申し訳ありません。」
私:「いや、残念ですが、こちらこそ、お手数おかけしました。
気を取り直して、今後もご紹介させていただきます。」
こんな感じで、Bさん、Cさんは、惜しくもギリギリ不合格となってしまいました。
お二人とも、このクライアントが第一志望だったので、不合格という連絡も気が重いです。
お二人とも忙しく、携帯に出られないので、まずはメールで丁寧に結果連絡をさせて
いただきました。
残念な結果になった理由も、詳しく説明しました。
翌日、Bさん、Cさんのお二人から、それぞれ返信がありました。
Bさん:「確かにご指摘の通り、私の転職理由や志望動機には甘い部分がありました。
今回の結果を真摯に受け止め、今後の人生に活かしたいと思います。
再度、転職に関して、じっくり考え直して、自分の中でしっかりした軸ができた時に
またご相談させていただきます。
それまでは、今の会社で全力で頑張ります。
今回は、私のような者に良いチャンスを与えていただき、大変ありがとうございました。」
Cさん:「今回の結果に関しては確認しました。
しかし、正直に申し上げて、納得できない点があります。
人を何度も呼びつけて、1週間も待たせたあげく、『全員が賛成できないから不合格』
では失礼じゃないでしょうか?
それならば、期待を持たせず、もっと早く結果を出せたと思います。
待たされる応募者心理を無視するような会社であれば、こちらからお断りです!!」
このような対照的な返事でした。
Cさんのおっしゃる事、お気持ちもわかります。
第一志望で待たされたあげく不合格です。
クライアント側にも迷いがあったし、お待たせした点もありました。
でも、Cさん、この結果をバネに次の会社で頑張
ってください!!
ただ、私が感動したのは、Bさんの
『今回の結果を真摯に受け止め、今後の人生に活かしたいと思います。』
というコメントでした。
自分の至らなさを率直に認める。負けを認める。
そこから新たな人生が開けると思うのです。
卑屈になるわけではなく、謙虚に自分の弱さを認められる人。
立派だと思うし、魅力ある人だと思います。
今回の転職活動が自分を見直す良い機会になったこと。
不合格になってしまいましたが、このような機会を提供することができて良かったと
思いました。
1年後でも2年後でも、更に成長したBさんに再会したいと思います。
「トマトがトマトであるかぎり それはほんもの
トマトをメロンに見せようとするから にせものとなる」 みつを
合掌。
※弊社HP↓。