「事件は会議室で起こってるんじゃない!! 現場で起こってるんだ!!」
というセリフがあります。
様々な人材紹介会社に在籍されている方々にお会いすると、
・「経営陣が何を考えているかわからない。」
・「現実味のない数字の目標だけが、上から下りてくる。」
・「経営者の暴走を止める人が居ない。」
・「入社前とのギャップを感じて退職する人が多い。」
などという、文句や愚痴を時々伺います。
なぜ、経営と営業現場との間に、そんなに距離があるんだろう?
私:「直接、上司の方に話してみた事はあるんですか?」
ご本人:「はい。何度も話しましたが、全然変わりません。
結局、みんな、社長の言いなりなんです。」
私:「じゃあ、直接、社長に話してみた事はありますか?」
ご本人:「いや、そこまでは私の仕事じゃないと思います。」
私:「社長さんは、貴方の意見が聞きたいかもしれませんよ。」
ご本人:「それは上司の仕事だし、直接、社長と話したいとも思いません!!」
こんな理由で、平行線のまま転職するのは残念ですね。
リクルートエイブリック時代、上司だった中島さんから、
「それって、営業現場の納得感はあるのか?」
と頻繁に聞かれていました。
中島さん:「いいか、現場のメンバーに高い要望をするのは、マネージャーとして当然だ。
高い期待をして引っ張り上げないと、メンバーの成長が止まってしまう。
しかし、かなり頑張っているメンバーが、『それはあまりに現実味がない目標ですね。
そんな納得感のない目標では、しらけてしまって逆効果です。』と言われてしまっては、
話にならん。真剣に頑張っているメンバーが、努力すれば達成可能な目標でなければ
意味がないぞ。」
私も同感です。
また、多少高い目標でも、マネージャーが自分の言葉で、その目標の意味をメンバーに話せて、
メンバーが納得できればいいと思います。
時々、こんなマネージャーも居ませんか?
メンバー:「どうしてこんな高い目標になったんですか!! こんな数字できませんよ!!」
マネージャー:「俺も高いとは思うよ。でも、役員会で決まったんだから仕方ないよ。」
これを言ってしまっては、マネージャー失格ですね。
一方、経営者も、
「目標は高ければ高いほど業績が上がる。」
などと、昔の高度成長時代みたいな事を言っていると、いつか会社は破綻するでしょう。
「しかし、目標を低くすると、そこまでしか売らなくなるだろう?」
これは性悪説で、経営と現場との間に全く信頼感が生まれません。
やる気があるメンバーは、100%に甘んずることなく、達成率120%でも150%でもやります。
「あいつは、よく頑張ってるな!!」
と思うメンバーが達成できない目標を掲げても意味がない。
少なくとも、現場のメンバーの5
0%が達成できる目標でなければ士気が上がらない。
もっと言うと、会社全体の目標を達成したいなら、70~80%以上のメンバーが達成できないと
達成できないメンバーの足りない売上を補う事ができません。
スタートの目標設定段階で、現場のモチベーションを下げるようなマネジメントをすれば
いつまでたっても、社員が定着しないでしょう。
結局、経営者自身に、しっぺ返しが来ます。
合掌。
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