今日のお話は、ここに書いて良いのか?
正直ちょっと迷いますが、これも何かの参考になればと思いますので、書かせていただきます。
あるご登録者(Aさん)が入社されて起こした大トラブルの話です。
これ以外にも、入社された方が、上司をぶん殴って傷害事件になりそうになった、とか、
履歴詐称とか、
何万人もの方々が入社されれば、その中にはいろいろあります。
「そんな事が無いように、登録者の性格を見抜いて紹介するのが、人材紹介会社の仕事だろう!!」
と、求人企業様からは怒られると思いますが、我々も神様じゃないので、2時間じっくり話しても見抜けない
ケースもあります。
もっと言うと、我々は、
「この人の可能性を最大限引き出せないかなー?」
と、ポジティブアプローチで面談しています。
面接ではなく面談なので、悪い部分を見抜こうという意識が希薄かもしれません。
しかし、たまには、
「この人は、ちょっと変わってるなー。」とか、
「この人は、常識無いなー。」とか、
「この人を紹介したら、求人企業から絶対に怒られるなー。」とか、
感じる事も正直あります。
そんな時は、じっくりお話を伺った上で、今は適切な求人がない事をお話しします。
他の転職手段のご案内もします。
できるだけ、気持ちよく、お帰りいただくように努力します。
さあ、今日の本題ですが、これも1995年ぐらいだったと思います。
私が、左遷されて、エグゼクティブ・サーチ事業部でプレイヤーをやっていた時です。
Aさん、40代前半の男性、有名メーカーの海外営業部長、と言うキャリアの方が、面談にお越しに
なりました。
私は、一番広い応接を予約して待っていました。
お互いに自己紹介して、すぐに、Aさんの自慢話が始まりました。
Aさん:「私のおかげで、今の会社は上場したんだよ。
この業界では、私を知らない人は居ないよ。
私を雇った会社は得をするよ。」
まとめると、このような話です。
このような自慢話をされる方は、頻繁にいらっしゃるので、特に気にせず、一応最後までお話は
伺いました。
ただ、肝心の転職理由の部分が不明確で腑に落ちませんでした。
私:「そんなに功績がある貴方が、なぜ、辞めなければいけないのですか?」
この問いかけに、どうも納得行くご回答がない。
自慢話をされる人は、逆に何らかの弱みを抱えている事が多い。
だから虚勢を張っている場合が多い。
このように、私はどうもAさんを信頼できなかったので、あえて求人を紹介せずに、お帰りいただきました。
翌日です。
Aさんから電話がありました。
Aさん:「私に相応しい求人はありませんか?」
私:「済みません、昨日の今日なので、まだ新しい求人が入っていません。」
Aさん:「そうですか? いつ頃、入りそうですか?」
私:「いやー、それは、求人企業も生き物なので、いつ新たな求人が入るかは確約しかねます。」
Aさん:「仕方ない。じゃあ、また電話します。」
うーん!! 明らかにおかしいぞー。この人はご紹介できないなー、と確信しました。
さあ、この時から3年ぐらい経過した、多分、1998年ぐらいです。
私が、1986年ぐらいに新規開拓で受注した、東証一部上場のメーカーさん(B社)があり、
私の後任の営業マンが頑張って成果を出してくれたおかげで、以来ずっとリピートオーダーを
いただき、既に延べ20人以上の方々が入社されていました。
おかげ様で、大変良好な関係でした。
私は、当時、社内人材不足の為、営業部長になっていました。
その時、一緒に仕事をしていた、営業課長のI君が、
I君:「武谷(たけや)さん、B
社さんでクレームです。
事情を伺うと共に、お詫びに行かなければいかませんので、同行してください。」
私:「なに? 長いお付き合いのB社さん? そんなに大変なの?」
I君:「事情がよくわからいですが、大変そうです。先方も人事部長が出て来られます。」
ということで、I君、担当営業マン、私の三人で、B社さんを訪問しました。
人事部長:「いやー、今回は参りました。」
我々:「一体、何が起こったんですか?」
人事部長:「御社から紹介された海外営業の人が、トラブルを起こして、担当役員が仕事にならないほど、
対応に振り回されているんです。」
我々:「えー!! トラブルとは、どのような?」
人事部長:「ちょっと、その内容に関しては、言えません。
今まで、御社から紹介された方は、良い方ばかりだったのに残念です。」
我々:「ご事情はわかりませんが、大変なご迷惑をおかけしたようで、誠に申し訳ございません。」
この後、しばらくの間、B社さんとのお取引が、一時中断となりました。
私:「I君、トラブル起こした人のキャリアシートはありますか?」
I君:「この人です。」
私:「えー!! この人は・・・・・・。あの時のAさんじゃないか!!」
I君:「知ってるんですか!!」
私:「うん、何年か前に面談したことあるよ。
ちょっと変わった人だから、紹介しなかったけど、結局、うちからB社さんに紹介して入社したんだ?」
I君:「はい。去年、入社しました。」
私:「そうかー。キャリアは立派だから、採用されて不思議じゃない人だからね。
それにしても、トラブルって、何をやったんだろうね?」
という感じで、私がAさんと会った後、しばらくして、Aさんは再登録して、別のキャリアアドバイザーと
会って、B社さんを紹介され、海外営業の管理職として採用された事がわかりました。
その後、Aさんが、どんなトラブルを起こしたのか? わからないまま、数年が経過しました。
2000年だったでしょうか?
私は、既に、JACジャパンに転職していました。
ある日、営業マンと同行して、あるメーカーさん(C社さん)を訪問しました。
人事課長さんと、1時間半ぐらい、様々なお話をしました。
そのお話の終わりごろに、人事課長さんが、こんな事をおっしゃいました。
人事課長:「いやー、世の中には、いろいろな人が居ますねー。
うちも以前、困った人を採用して、大混乱しましたよ。」
私:「どんな人ですか?」
人事課長:「え、海外営業の管理職です。」
私:「海外営業の管理職!! その人、どんな人ですか?」
人事課長:「昔、メーカーの○○で海外営業部長だった人ですよ。」
私:「えー!! やっぱり!!
私、その人、知ってます!!
会った事、あります!!」
人事課長:「そうですか!! いやー、あの時は困ったなー。
あの人、次の会社でもトラブル起こしたでしょう?
その会社からも問い合わせがありましたよ。」
私:「あの人、一体、何をやったんですか?」
人事課長:「いや、海外出張先で毎晩、売春宿に通って、お金を払わず帰って来るので
相手が会社にまで押しかけて来て大変だったんです。」
私:「何ですかそれは!!