今日、ここに書かせていただく事件は、
今も昔も私の師匠(教育担当の先輩)栢野(かやの)さんが起こした事件です。
ものすごくお客様を大切にされ、新規開拓力抜群の伝説のスーパー営業マンです。
もちろん実話です。
後で、現在のご本人を写真とURL付でご紹介します。
私は新人なのに悪行のかぎりを尽くし左遷され、優しいUマネージャーのグループから、鬼マネージャー
Sさんの下に異動させられていました。
ある日、鬼マネージャー のSさんが、中途入社間もないA先輩に、
「おい、A君、今日は営業の勉強のために、栢野(かやの)に同行してもらえよ。」
と指示されました。
*実は、このAさんも医療機器販売会社を経営・倒産という修羅場をくぐってきているツワモノです。
Aさん:「わかりました。栢野さん、宜しくお願い致します。」
栢野さん:「あー、僕ですか 俺に同行しても参考にならないと思うけど、まあいいや。」
Aさん:「今までは、機械とか目に見えるものを売って来たので、
広告とか目に見えないものの営業はやったことがないんですよ。」
栢野さん:「あー、僕もヤマハ発動機でバイクしか売ったこと無かったですよ。」
Aさん:「へーそうなんだ? ところで、今日はどこに営業に行くんですか?」
栢野さん:「決めてないので、適当に飛び込みましょう。
そうだなー、Aさんは医療機器を売っていたんですよね?
じゃあ、医療機器商社が多い本郷あたりを流しましょうか?」
ということで、丸の内線の本郷三丁目で下車し、飛込みが始まった。
目は常に会社の看板を見ながら歩く。
おいしそうな会社、お金のありそうな会社はないか?
しかし、重い営業カバン片手に、全ての電信柱にハイキックを入れながら歩く栢野さん。
実は立命館大学時代、少林寺拳法で二度の関西学生チャンピオンになった。
更に、立命館大学の武道・格闘技No.1決定戦でも優勝した恐ろしい男。
栢野さん:「よーし。この辺の会社から行きますか?」
Aさん:「はい。行きましょう。気合が入るなー。」
ある会社の事務所内のカウンターまで踏み込み第一声。
栢野さん:「どうも、リクルートの栢野(かやの)です!! 社長、いらっしゃいますか?」
Aさん:「いきなり社長を呼び出すとは!!」
受付の女性:「お約束ですか?」
栢野さん:「いや、私がこの地区の担当になったので、今日は社長にご挨拶に来ました。」
その時、お客様の事務所の奥の方では、何やら社長らしき人が部長らしき人を怒鳴っており、
随分ご機嫌が悪いご様子。
受付の女性:「ご覧のとおり、社長は今、取り込み中ですので、またあらためてお越しください。」
栢野さん:「いや、結構です。しばらく、ここで待ってます。」
受付の女性:「えー? 困ります。今日はお引き取りください。」
そんなやり取りをしていたところ、社長が、栢野さんとAさんが入口付近に立っているのに気がついた。
社長:「なんだ? お前らは!!」
そこで、栢野さん、いつものように受付の制止を振り切り、事務所の奥にどんどん入っていく。
驚きながらも仕方ないので、Aさんも付いていく。
そして、ついに二人は社長の目の前に。
栢野さん:「どうも社長、リクルートの栢野(かやの)です。」
社長:「なにー!! またリクルートか!! こりもせず何人も何人も営業に来やがって!!」
栢野さん:「大丈夫です。今日から御社の担当は私一人になります。」
社長:「うそをつくな!! 見てみろ!! お前の会社の名刺だけでも何十枚あるか!!」
栢野さん:「そうですか。では拝見します。うん、うん、なるほど。それでは、この名刺は私がお預かりします。」
社長:「なに!! お前、俺の名刺をお預かりするとは、どういうことだ?」
栢野さん:「はい。ポイします。」
社長:「なにー!! 俺の名刺を勝手に捨てる気か!!」
栢野さん:「はい。今日から御社の担当は私一人になりますから、他の営業マンの名刺は必要ありません。」
社長:「お前、真面目にそんな馬鹿な事を言っているのか!!」
栢野さん:「はい。私が担当になれば御社も安泰です。」
社長:「お前、名刺を返さないなら警察を呼ぶぞ!!」
栢野さん:「そうですか。どうぞ。」
という事で、その後、警察官が二人現れて、栢野さんとAさんは連行されました