今日、書かせていただくのは、タイトル通りの事件です。
これも新人時代、5月か6月ぐらだったでしょうか?
「○○ブレーキ様」と言うメーカーさんに、アポイントを取って訪問しました。
商談相手は、取締役人事部長さんでした。
商談が始まるや否や、このように言われました。
人事部長:「おい、お前は新人だろう?
お前がどうしてリクルートのような会社に入社したかは知らんが、
俺はリクルートの強引な商売のやり方は嫌いだ!!」
私:「そうですか? 私もリクルートのそういう所は嫌いです。」
人事部長:「そうか? お前は珍しいな。じゃあ、なぜ入社したんだ」
私:「そんな会社に入社して、自分の性格を変えてみるのもいいかと思いまして。」
人事部長:「そんな自虐的な事をするもんじゃないぞ。もっとお前に合った会社があったんじゃないか」
私:「いやー、でも九州の採用担当の方は、すごく人柄が良くて、おもしろくて、
こんな兄貴みたいな先輩と一緒に働きたいと思ったんです。」
人事部長:「そうかー。もう済んだ事は仕方ないな。ただ、変な社風に無理に染まる必要なはいぞ。」
私:「変とおっしゃいますと例えば?」
人事部長:「あのなー、お前の会社の営業のやり方は、お客本位じゃない。
自社の営業方針をお客に押し付けるだろう?」
私:「例えば、どのような事ですか?」
人事部長:「例えば、月末になると申し込めとか、営業の締め切りがあるとか、
こっちの都合も考えずに頭に来るんだ!!」
私:「なるほど。そうですよね。月末はお客様には関係ないですよね。」
人事部長:「お前、リクルートには惜しい真面目な営業マンだな。
さっき、九州とか言ったな? 九州出身か?」
私:「はい。実家は北九州市で、大学は熊本でした。」
人事部長:「うーん、お前みたいな純朴な若者を騙して採用しちゃいかんな。」
私:「・・・・・・・。」
人事部長:「うん、気に入った。お前とは長い目で付き合おう。でもいいか?
俺はリクルートの都合では絶対に取引せんからな。」
私:「ごもっともです。ありがとうございます。今後とも長い目で宜しくお願い致します。」
人事部長:「よし。それじゃあ、お前の会社のサービス内容を説明してくれ。」
このような順調な進行で、サービス内容や料金に関してもご説明しました。
また、先方様には、営業職採用のニーズがあることがわかりました。
人事部長:「人材紹介会社かー、リクルートの中にそんな会社があるのは初めて聞いた。
求人情報誌より確実に良い人材が採用できそうだし、前向きに検討しよう。
できれば、今月の役員会にかけてみるか。」
私:「あ、ありがとうございます!!
ご発注いただいたら、必ず素晴らしい方をご紹介できるように頑張ります!!」
今までに無い順調な出足でした。
いやー、素晴らしい人事部長さんに会えた。
真面目に営業してたら良い事もあるなー。
これで今月は目標達成できるかもしれない、と思いました。
早速、次の日の朝の営業課会でも発表しました。
リーダー:「次ー、武谷(たけや)、お前は今月のヨミは相変わらずゼロか?」
私:「え、いやー、実は昨日訪問した○○ブレーキさんで、営業職のニーズがありまして、
取締役人事部長が今月の役員会にかけてくださることになりました。」
リーダー:「えー!! ○○ブレーキさん? 俺も昔行った事があるけど、いい会社じゃん。本当か?」
私:「はい。人事部長さんと意気投合しまして。」
Uマネージャー:「ははは、意気投合???」
リーダー:「じゃあ、今月のヨミに入れとくぞ。役員会は何日だ?」
私:「役員会の日にちはー・・・・、 未定です。」
リーダー:「馬鹿!! 役員会が未定のわけないだろう!! ちゃんと聞いて来い。」
うーん、格好つけて今月のヨミに挙げてしまった。まずかったかな。
その日の事です。取締役人事部長に電話しました。
私:「お世話になっております。昨日は貴重なお時間を頂戴しまして、ありがとうございました。」
人事部長:「おー、お前か? わざわざお礼の電話か?」
私:「はい。昨日は大変勉強になりました。」
人事部長:「そうだな。これからも真面目にコツコツ勉強しろよ。じゃあ、またちょくちょく顔を出せ。」
私:「あ、あ、済みません!! あのー、今月の役員会は何日に開かれるんですか?」
人事部長:「えー? そんな事、なんで聞く?」
私:「あ、それはですね、昨日の企画の件、今月の役員会にかけていただけるとのお話でしたので・・・。」
人事部長:「なんだ、そんな魂胆か!!
俺はリクルートのペースでは仕事はせんと言っただろう!!」
私:「は、はいごもっともです。ただ、一応確認だけと思いまして・・・・・。」
人事部長:「役員