今日は、駆け出し「売れない営業マン」時代のクレーム第二弾です。
池袋の空気清浄機メーカーが、求人情報誌で営業マンを募集されていました。
私:「お世話になってまーす。
今日は社長、いらっしゃいますか?」
と極めて明るく、いつも出入りしている馴染みの営業マン風に電話したら、
受付さんが騙されて、社長に電話がつながりました。
*TELアポ(アポ取り)の鉄則。馴染みの営業マンか社長の知り合いに成りすます。
社長:「はい。はい。今日は何?」
私:「社長、はじめまして。いつも、ビーイングなどでリクルートが大変お世話になっております。
今も募集されていますが、反響はいかがでしょうか?」
社長:「うーん。今回は駄目!! まだ、3人しか問い合わせがないぞ。」
私:「えー!! それは大変失礼致しました、私が早速お詫びに伺います。」
社長:「お詫びって、あんた誰」
私:「申し遅れました。私は、リクルート人材センターの武谷(たけや)と申します。
リクルートグループの中では、特別な仕事をしておりまして、
御社にピッタリの人材を選んで直接お連れするという仕事をしております。」
社長:「そんなの聞いたことないぞ」
私:「はい。その辺の所を、今回のお詫びも含めて、ご説明にお伺いします。
早速ですが、今日の4時はいらっしゃいますか?」
*必ずこちらから時間指定するのが鉄則。
社長:「えー、4時? 多分居るには居ると思うが・・・。」
私:「それでは、4時に伺います。失礼します。」
*アポイントが取れそうになったら、相手の気が変わる前にすぐに電話を切る。
その企業の成長に貢献できる素晴らしい人材をご紹介するのですから、
アポイントは多少強引でも取ります。
ここで腰が引けたら、一向に魅力的な求人開拓ができません。
我々には、ご登録いただく方々の代わりに、求人を開拓する使命もあります。
さて、電話での会話の通り、午後4時に池袋の空気清浄機メーカーさんに訪問しました。
幸い社長さんもご在席で、すぐに出て来られました。
50代後半ぐらいの、恰幅の良い、いかにもたたきあげのオーナー社長です。
私:「お忙しい中、ありがとうございます。リクルート人材センターの武谷(たけや)と申します。」
社長:「ふーん、人材センター? そんな会社あるの」
私:「はい。このように年間で1万人以上の方々がご登録されておりまして、
その中から、御社にピッタリの人材を選んでお連れします。」
*パンフレットを開いて関心を持っていただきます。
社長:「知らなかったな。うちは、リクルートの池袋営業所の○○さんが担当してるけど、
こんな話は聞いたことないぞ」
私:「リクルートの子会社ですが、当社のサービスはビーイングのライバルですので、
あえてご紹介してないと思います。」
*当時のリクルートの悪い点です。
グループ内で競合させているので、お客様から見た時に不可解で不明朗。
誠に申し訳ございません。当時の経営陣に成り代わり、お詫び申し上げます。
社長:「そうか。お前の会社は商売がうまいな。」
*当時のお客様は、大変寛容な方が多く救われました。多分、この社長も商売上手だったのでしょう。
私:「恐縮です。しかし、この度は、ビーイングでの反響が悪いとの事ですが、申し訳ございません。」
社長:「それはもういいから、早くお前の所に登録されている人を紹介してくれよ。明日、連れて来てくれ。」
私:「へへ。ご冗談でしょう?
登録されていらっしゃる方にも意志がありますから、そんな早くは無理です。」
社長:「だってお前、さっき1万人登録されていると言ったじないか?」
私:「はい。1年間に1万人です。月間では800人。その内、東京では600人。
その内、営業職の方は300人です。
ただ、その300人の中でも、社長のお眼鏡に適う方は、30人ぐらいかもしれません。」
社長:「いいよ。その30人紹介してくれ。」
私:「いや、その30人の方々は、引く手あまたですから、既にいろいろな企業様にご紹介中です。
御社には、今後新たにご登録いただく方々の中からご紹介させていただきますので、
少々お時間をください。」
社長:「なんだー、順番待ちか?」
私:「はー、大変恐縮ですが、採用には時間がかかります。求人広告でもそうですよね?
取材して原稿作って雑誌が出るのが1週間後で、反応があっても面接に呼んで、
会ってみても採用できる確率の方が小さい。
その点、当社でしたら、初めのご紹介には、求人広告と同じように2週間ほどかかりますが、
その方は、事前に当社で面談をして、御社に相応しいと思う方を選んでご紹介しますから、